大阪在住OLの旅とグルメと日常。

旅とグルメと日常について、つれづれ。

山白朝子の【私の頭が正常であったなら】を読んだ。

昔はよく図書館に通って、小説をたくさん借りて読むのが好きでした。

最近は読書をする機会がずいぶんと減りましたが、

ある作家さんの小説だけは買って読んでいます。

 

その方の名は「乙一」さん。

デビュー当時からずっと好きで、「山白朝子」「中田永一」という別名義でも執筆されていて、そちらも大体読破しています😊

 

先日、「私の頭が正常であったなら」を読み終えたのですが、

短篇集になっていてどの物語もとても面白かったので、

ご紹介したいと思います。

山白朝子の【私の頭が正常であったなら】を読んだ。

 

世界で一番、みじかい小説

いきなりちょっと怖いお話です。

主人公はまったく霊感がなかったのに、ある日から男の幽霊を視るようになります。

妻の千冬も同じ時期から視えるようになり、どうして突然この幽霊が現れたのか調査することに。

よく幽霊を観察してみると、幽霊の後頭部がゆがんでいることを発見します。

そのことから恐らく殺されたのではないか?と推理します。

そして、意外なことが事件へと繋がっていきます。

首なし鶏、夜をゆく

転校して間もなかったマキヲは、ある日クラスメイトの風子と雑木林で会います。

風子がこっそり飼っていたのは、なんと首から上がない京太郎という鶏でした!

マキヲは京太郎のことを誰にも言わないことを約束し、

自分の部屋で飼うことにします。

徐々に仲良くなる2人でしたが、風子が連絡もなく突然転校したと聞き、

不審に思ったマキヲは彼女を探すことにします。

酩酊SF

小説家の私の元に、「面白い小説のアイデアを思い付いたから書き方を教えてほしい」と、後輩のNが相談を持ち掛けてきます。

「女性が酩酊状態になると、過去や未来が混濁して見えてしまう。この能力を使ってお金儲けをするような話はできないか?」

私が競馬で儲ける方法をNに教えると、半年後に高級車に乗ったNが私の前に現れます。

実はあの相談は小説のアイデアではなく、実際にNの彼女が持っている能力の話だったと言うのです。

布団の中の宇宙

主人公の友人である小説家のTさんは、書けないスランプに陥っていました。

十年ぶりに新作小説を発表したTさんと連絡をとって、一緒に飲みに行くことに。

小説を書くきっかけになったのは、中古で買った「布団」がきっかけなのだと言う。

布団の中でまどろんでいると、足先に麦の穂や、苔むしてひんやりとした岩肌が足先に当たる感触がするのだと。

でも、布団をめくって調べてみても何もないのだそうです。

Tさんはその不思議な体験を記録することで、小説のリハビリをしていたようです。

そのうちに布団の中に毎晩、女が来るようになります。

Tさんは一体どうなってしまうのでしょうか?

子どもを沈める

主人公カヲルの高校時代のクラスメイトが、次々と自分の子どもを殺しました。

その中の1人、幸恵からある日手紙が届きます。

「私たちが自分の子どもを殺したのは、なぜか子どもが生田目頼子そっくりになるから。きっとこれは彼女の復讐なのでしょう」

カヲル達が高校時代にいじめていた生田目頼子は自殺しました。

そして生まれてきた子どもが彼女そっくりの顔になると言うのです。

妊娠したカヲルは子どもを産むかどうか悩みます。

トランシーバー

東日本大震災津波で妻のナツミと息子のヒカルを失った主人公。

現実逃避をしたくなって、毎日のようにお酒を飲む日々。

しかし酩酊状態になると、おもちゃのトランシーバーからヒカルの声が聞こえてくることに気付きます。

これは単なる幻聴なのでしょうか?

私の頭が正常であったなら

主人公である私の夫が家庭内暴力を振るうようになり、娘の怪我をきっかけに離婚をします。

しかし夫によって、娘の命まで奪われた私には幻聴が聞こえるようになります。

精神が落ち着くまでリハビリに散歩を日課としていた私の耳に、

「たすけて・・・ママ」という幻聴のような物が聞こえてきました。

これは果たして本当に誰かが助けを呼ぶ声なのでしょうか?

おやすみなさい子どもたち

アナは沈む船から救命ボートに乗り込む途中で海へ落ちて死んでしまいます。

しかし、走馬燈のように過去の記憶がよぎるはずが、まるで記憶にない映像が流れます。

天国にある映画館では走馬燈が上映されているのです。

そして、アナの走馬燈のフィルムは手違いで他人の物と間違えられていました。

アナの目の前に現れた天使のイサベルと共に走馬燈のフィルムを探すことに。

少し怖くて不思議な物語

どの物語も不思議な世界観で描かれていて、

けれどもひょっとしたら現実に転がっている話なのかもしれないと思えるところが面白いです。

個人的には「布団の中の宇宙」を少しだけ感じてみたいです😊

本当にそんな布団だったら、おちおち寝ていられないと思いますが(笑)

「おやすみなさい子どもたち」は、なんとなくタイタニックを思い浮かべながら読んでいました。

最後の解説が宮部みゆきさんなのもポイント高いです!

 

蒸し暑い日の体温を下げるのに、少し怖い読書はいかがでしょう?

 

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