逆上がりのできない子だった。
まったく努力しなかったわけじゃない。
でも今思えば、努力が足りなかったのかもしれない。
逆上がりができないまま、
アラフォーになったというのが現実なのだから仕方がない。
それが私が生まれて初めて挫折を味わった経験だった。
それから、体育の時間が憂鬱になった。
跳び箱やマット運動も苦手。
ドッヂボールは避けたり受けたりはなんとかできても、
ヘロヘロの球しか投げられなかった。
とにかく運動ができない。
格好悪い自分を見られるのが恥ずかしかった。
中学生になった時に少しでも運動ができるようになりたくて、
思い切ってバレーボール部に入部した。
朝練で学校の外周を走って、
放課後はあざだらけになって練習して少し痩せた。
でも、それだけだった。
結局、レギュラーにはなれず、
休日に試合があっても応援要員だった。
だんだん部の人間関係もギクシャクして居たたまれなくなって、
2年の夏休みに辞めてしまった。
そんな虚しい過去を、
「アメトーーーーーーク 運動神経悪い芸人大賞SP」
を見ながら、大爆笑しつつふと思い出してしまった。
ロンブーの田村淳さんは、
いかにもスポーツできそうな雰囲気を醸し出してるのに運動神経が悪い。
フルーツポンチの村上健志さんはなぜかヒザが常に伸びているので、
上手く運動ができなくて「ヒザ神」と呼ばれている(笑)。
ナイツの塙宣之さんは何をやってもエビ反りになるので「ソリ神」(笑)。
ザブングルの松尾陽介さんはどう見ても溺れてるようにしか見えない「水神」(笑)。
めちゃくちゃ面白いけど、この人達はきっと、
私と同じように体育の時間ずっと辛かったんだろうなぁって。
今は芸人だから笑いに変えることができてるけど、
学生の頃は相当からかわれたりしてたんじゃなかろうか?
何をやってもダメだったのに、ダンスだけはできる人も何人かいた。
そう言えば、
私も昔ジムで「ボクササイズ」をするのはストレス解消になったし、
家で「カーヴィーダンス」するのも好きだなぁ♪
やっぱり人には「得手不得手」があるもの。
体育の授業で言うと、
「水泳」の心得はひょっとしたら、
必要になることもあるのかもしれない。
でも、それ以外の運動ってどうなんだろう?
定期的に体を動かすことは大切だと思うけど、
自分が苦手なことをストレスを感じながらやることは、
本当に必要なんだろうか?
コロナの影響で学校生活においての「体育」も、
これから変わっていくのかもしれない。
その時に何をやるのかを選べる自由があったらいいなと切に願う。
私がもしも、体育の授業より前に、
ボクササイズやカーヴィーダンスに出会っていれば、
もっと運動が好きな自分がいたと思うから。
最後に「運動神経悪い芸人」のみなさん、
自分の体を張って恥をさらして、
それを笑いに変えてくれてありがとう。
この番組を見て、
「運動神経が悪いのは自分だけじゃない」
「自分が得意な運動もあるはず」
と勇気を持ってくれる子が、
どこかにきっといるはず。
何より運動できなくても死なないし、
ちゃんと立派な大人になれるから、
ぜんぜん気にしなくて大丈夫なんだよ。